神戸大学MBAのコンセプトと特色
神戸大学MBAの特徴は、経営学の専門的な理論を体系的に習得でき、先端的な研究業績に裏付けられた教授陣より、独自の「プロジェクト研究方式」を通じて教育され、在職のまま通えて産業界での中核的な人材になるべく、総合的な経営能力を養えるその独自のプログラムにあります。
われわれが「神戸方式」と呼んでいる神戸大学MBAの独自のプログラムは、特徴のある次の三つのコンセプトで構成されています。
- 「プロジェクト方式」(PRM: Project Research Method)
- 「働きながら学ぶ」(BJL: By the Job Learning)
- 「研究に基礎をおく教育」(RBE: Research-Based Education)
プロジェクト方式(PRM)
「プロジェクト方式」とは、産業界からの要望の高い問題に含まれる解決すべき複数の課題について、それぞれ5~6名の社会人学生からなるプロジェクトチームを編成し、学生相互間および教授陣・学生間でお互いに知恵を出し合いながら、共同研究により解決策を探る教育システムです。本研究科では、一つひとつのプロジェクトチームごとに、指導教授陣を中心とするきめの細かい教育研究体制を作りあげてきており、この教育方法は全国に例をみないユニークなものとして、社会より高く評価されています。
プロジェクト研究と現代経営学演習では、社会人のみなさんが仕事のなかで直面している問題を持ち寄り、類似の問題に直面している人々が、既存の優れた研究成果も活用しながら共同して問題を深く分析し、解決策を見出していくというプロセスを踏みます。このようなユニークな教育方法やMBAプログラム用に開発されたカスタム・メイドのカリキュラムだけではなく、働きながら学ぶみなさんのために、神戸大学MBAのプログラムは週末集中講義を導入し、最短で一年半で修了できるプログラムとなっています。私たちのプログラムは、社会の経営学教育の高度なニーズを先取りしながら、つねに進化しています。
われわれは、フィールド(経営の現場)で収集されたデータに基づいて現実の重要な問題を真摯にみつめ、そこから経営学の進歩に役立つ理論的・実践的研究を目指すことが非常に重要であると考えます。そして、経営教育で大切なことの一つがこのような現場発の理論に基づくアイデアです。現実と理論を、経営を舞台にして結びつけるという知的作業(教育プロセス)を踏むことは、(1) 課題が具体的である、(2)個人指導ができる、(3)仕事を通じて学んだことをすぐに確かめることができる、といったメリットをもっています。
- 関連リンク
- プロジェクト発表会
- 現代経営学演習担当教員
働きながら学ぶ(BJL)
すでに実務を経験している社会人学生にとって、自分たちの経験を交換し合いながら、プロジェクト研究や現代経営学演習の担当教授のサポートのもと、納得のいく解決案を探求する。自らの努力と知恵で問題を解決するという経験をすることによって、経営の問題を解決するための発想法や問題解決の方法、判断の能力を身につけることができます。
「働きながら学ぶ」ことによるメリットは、学生の自覚を高め、具体的な問題をより深く考えることにあります。そして、学んだ理論について常に内省し、すぐに実践することができること、さらには、現場の現象に理論的な理解を持ち込むことによって、かつての常識であってもいまはすでに陳腐化している知識を捨て去ること(学習棄却)ができるメリットも得られます。
以上のような特徴を持っているがゆえに、神戸大学のMBAコースでは、企業などの組織で現に働いている人々を対象にして教育を行っています。土曜の週末集中講義、最短で一年半修了できることは、働きながら学びたい社会人から高い評価を得て、そして、神戸大学MBAコースを目指す受験者みなさんの重要な動機の一つになっています。
経営の諸現象は相互に深く結びついており、それゆえどのような問題を取り上げても、他の問題とかかわっています。大切なのは、どのような問題を、どのように深めていくべきかであり、それにいかに対処し、判断していくかであると考えています。
研究に基礎をおく教育(RBE)
神戸大学MBAでは、常に最新の理論を踏まえ、現場が実際に直面している問題について、これまでにどのような知識(理論)が蓄積されているのか、また、問題を考える場合にどのような方法が使えるのか、さらに、これらの知識や方法で解決しえない新たな課題を解決するための理論や方法があるのか、といった形の教育を行います。
さらに神戸大学MBAでの教育は、経営学そのものの発展に役立つ新しいコンセプトの探求も目指しています。この意味において、神戸大学MBAコースの教育は、大学院ならではの「研究に基礎をおく教育」(RBE)といえます。