2017年度加護野論文賞 第一次・第二次選考結果

2017年度第一次・第二次選考通過論文 

2017年度の第一次・第二次選考について 加護野忠男論文賞とは、神戸大学MBAの創設期の中心人物の一人であり、その後の神戸大学MBAの3つの柱の確立に尽力されてきた加護野忠男氏(甲南大学教授・神戸大学名誉教授)の貢献に敬意を表して定められた賞です。2008年度より、毎年の神戸大学MBAの修士論文のなかから最優秀作品を選考し、加護野忠男論文賞として表彰しています。
2017年度の加護野忠男論文賞の選考は、例年通り3段階にわたって行われました。第一次選考では、修士論文を指導してきた5名のゼミ教員が各2本の論文を推薦し、70本前後の提出論文のうち、10本が第二次選考の対象へと絞りこまれます。第二次選考では、選ばれた10本の論文について、学内教員で構成する選考委員が審査し、上位3本が選出されます。最終選考では、この3本の論文に対して、学術界、産業界、出版界の3つの領域から選出された学外審査委員と、加護野教授が、上位3本の順位づけを審査の上、受賞を決定します。この最終選考における学外審査委員からのコメントは、次年度以降の神戸大学MBAにおける修士論文の指導や審査、そして加護野賞の選考方法などにも反映されていきます。加護野忠男論文賞の選考を通じて、神戸大学MBAでは、様々な専門性をもつ学内外の専門家によって、修士論文の手続き的な信頼性の評価、そして産業界への貢献についての評価という二つの側面からのオープンな審議が行われ、そのフィードバックを通じて、時代に応じた不断の改善を続けています。

2017年度第一次選考通過論文

各ゼミ担当教員による10本の推薦論文は以下です(敬称略・順不同)。

音川 和久  
河井 嶺男 ジェネリック医薬品における薬剤師の購買行動に関する研究
多喜田 保志 医薬品開発における生物統計家のリーダーシップに関する研究:効果的な医薬品開発に向けて
國部 克彦  
大野 寛人 異業種の農業参入が共創する経済的価値と社会的価値:兵庫県の参入事例からの考察
桑原 祐介 イスラーム職業倫理と経営の精神
鈴木 竜太  
今井 悠資 企業内の実践共同体のマネジメント
穂積 慎一 ハイポテンシャル人材に対するキャリア初期段階からのリーダーシップ開発に関する研究
髙嶋 克義  
久保 純 育薬に特化した製薬企業の創薬への道:新旧バイオ医薬品から学ぶ創薬と育薬とそのバランスの重要性
深田 昌則 グローバル企業における現地主導型製品開発と現地販売会社の役割
原田 勉  
河井 康史 製造企業におけるイノベーションと技術戦略に関する一考察究
吉田 康政 マトリクス組織をグローバル規模で効果的、効率的に運営する経営革新「クロスミッション経営」に関する研究

 

2017年度第二次選考通過論文

2018年3月1日、次年度にMBAゼミを担当する教員から4名(平野光俊教授、松尾博文教授、三品和広授、藤原賢哉教授)及び代理教員(栗木契教授)を審査員として、加護野忠男論文賞の第二次選考を実施しました。代理教員が審査に加わったのは、2018年度ゼミ担当の髙嶋克義教授が2017年度ゼミ担当でもあったためであり、同分野の教員を代理で審査員にたてることにしました。 10本の推薦論文に対する審査員の評価は分かれ、全員が一致して推す論文はありませんでした。これについては、大きな経営の課題に挑む論文、新しい時代のテーマに切り込む論文、高度な専門性が必要な領域で完成度の高い提言を行う論文と、各論文の持ち味が異なったため、評価が分散したものと思われます。そのなかから、審議の結果、次の3本が第二次選考通過となりました。 

大野 寛人 異業種の農業参入が共創する経済的価値と社会的価値:兵庫県の参入事例からの考察
久保 純 育薬に特化した製薬企業の創薬への道:新旧バイオ医薬品から学ぶ創薬と育薬とそのバランスの重要性
吉田 康政 マトリクス組織をグローバル規模で効果的、効率的に運営する経営革新「クロスミッション経営」に関する研究

 

文責:2017年度MBA教務委員 栗木 契