2023年度ポスターセッション 教員のコメント

宮尾 学 教授

2023年度ポスターセッションの写真

神戸大学MBAの使命でもっとも大きなもののひとつは、実践的な知の創造です。しかし、それは、受講生一人ひとりが個人で取り組むだけでは達成できるものではありません。そこで、私たちは、プロジェクト方式により、受講生たちがお互いに切磋琢磨しながら練り上げていくという方法をとっています。その集大成となる修士論文の報告会−ポスターセッション−が、2023年9月16日に行われました。アルムナイ組織である神戸大学MBA Cafeのサポートを受けての開催です。昨年にひきつづき、今年度も対面式で開催することができました。

このポスターセッションによる報告会も今年で9年目を迎えます。卒業前の最後のビッグイベントであり、緊張の伴う発表会ではなく、お祭りのように楽しく興味深いものです。MBA生のご家族も来校され、1年半の学びの成果を家族に披露するという場でもあります。ポスターセッション会場での熱のこもったやりとりでは、リラックスしながらも真剣な討議が繰り広げられていました。

M2の学生たちが入学して1年半が経過し、受講生たちはコア科目、ケースプロジェクト研究、テーマプロジェクト研究などを体験してきました。時には、先達が積み上げてきた知の蓄積−先行研究−の分厚い壁におののきながらゼミでの議論を重ね、彼ら・彼女らは、入学当初に感じていた会社や職場での問題点、課題をシャープに定式化し、その処方箋、そして会社への提言を具体的に示していました。よく言われることですが、正しい答えを得るためには、正しい問いを見つける必要があります。修士論文を生み出すプロセスは、まさに正しい問いを探す旅だったのではないでしょうか。そうして学び修得した知の方法論を、神戸大学MBAの修了生一人ひとりが、日々の職場でさらに活かしていって欲しいと願っています。

2023年度ポスターセッションの写真

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なお、今年のポスターセッションでは、ご家族の参加を促すために託児所を準備しました。会場のそばでお子様を預けることができ、利用いただいた方も安心してポスターセッションを楽しみ、学ぶことができたようです。発起人のMBA生の石神さん、福森さんをはじめ、教務グループ・会計係など多くの方のお力添えにより実現した託児所でした。この場を借りてお礼申し上げます。