藤本利夫氏(神戸大学MBA2009年修了)

このたび、「変革型リーダーを育てる」というセッションに参加させていただくことを光栄に思います。神戸大学MBAに在籍したのはもう10年以上前になります。医師から製薬企業に転職したばかりで、自分の乏しいビジネスリタラシーに対する劣等感を克服するために入学しました。大学で一から学んだ財務、三品教授のGMリーダーシップ論、ゼミでお世話になった三矢教授のアメーバ経営学など、多くの仲間とともに知的刺激を受けたことを懐かしく思い出します。現在、昨年開所したユニークな施設の運営を行っています。湘南にある武田薬品工業の大規模研究所を外部の会社、アカデミア、ベンチャー、ファンド、行政などライフサイエンスに関わる方々に開放して、日本で一緒にオープンイノベーションハブを創っていこうという試みです。まだ立上げの段階ですが、わたしの経験が少しでもみなさまのお役に立つことを願っています。

(武田薬品 湘南ヘルスイノベーションパーク ジェネラルマネジャー)

深田昌則氏(神戸大学MBA2017年修了)

神戸大学MBA創設30周年、おめでとうございます。日本にまだMBAが根付いてなかった時代に神戸大学MBAを創設された先生方には、心から敬意を表したいと思います。

私が神戸大学MBAを目指した目的は、①ビジネスパーソンとしての基本リタラシーの獲得と成長、②新しい経営学の考え方に触れる、③様々な教授や社会人の方々と出会う、の3点でした。中盤を終えた会社員としての自らのキャリアに幅をもたせ、今後も社会にコミットし貢献が出来るようになりたいという思いがありました。修了してますます感じるのは、神戸大学MBAを原点として人生が大きく広がっていくという実感です。

様々な価値観が大きく変化している今日、新しいスキルセットを獲得しながら自らの道を開拓し進むような生き方が必要となっています。そのためにも神戸大学MBAはスタート地点としての「ホーム」のひとつとして、複数の「アウェイ」からいつでも戻って来られる、時には厳しく、時には暖かい存在であり続けて欲しいと思います。

(パナソニック アプライアンス社 Game Changer Catapult 代表)

本間浩輔氏(神戸大学MBA2012年修了)

「神戸で学んだから、今のポジションがあると思うか?」と問われると、それはわかりません。キャリアにABテストがないことと同じように、神戸大学MBAがないキャリアを想像することはできないからです。

しかし「今のキャリアをよいものにするために、MBAは貢献したか?」と問われれば、それはYesです。MBAの経験や仲間がいなければ今の私はありません。

私が神戸大学MBAで得たもの。それはアカデミックな知識というよりも、経営の「あるべき論」であり、持論でありビジョンです。理想といってもよいかもしれません。積み上げではなく、理想のイメージがあるから逆算して経営を考えることができます。「ビジョンとはタイムマシーンに乗ってみてきた未来を語ることだ」という例えがありますが、私にとって神戸大学MBAに在籍した1年半は「タイムマシーンに乗って未来を感じる」経験でした。言い換えると、自分の経営の軸を定める欠かせない時期であったと感じています。

(ヤフー常務執行役員 コーポレートグループ長)