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日中関係史1972−2012 I 政治 II 経済 III 社会・文化

黄りん

日中関係の展開を総合的にとらえ、多面的かつ詳細に検討した三冊のシリーズものです。編者は「日中間で拡大深化する交流と協力、そして複雑化する利益と感情」が各巻を通底するモチーフであると冒頭に述べています。

日中間の経済的な相互依存関係への正しい認識は、外交や国際政治の複雑な局面においてこそ日中双方にとって共通した重要な課題です。日中関係のコンテキストには、社会制度、世界観、歴史観や価値観の相違があります。そして、グローバルな潮流およびアジア地域の全体状況に関する理解も必要です。

1972年の日中国交正常化から40年という、人間でいえば「不惑の年」を迎えましたが、現実の日中関係は方向が定まらないほど不確定要因が多いご時世となっております。このような節目の時に、今後五年先や十年先の日中関係、さらにアジア地域の将来を考え、これまでの日中関係の歴史的な軌跡への多面的な理解は、日中間の経済関係やビジネス関係に関する正しい認識と選択にも役に立つものです。

経済に限って言えば、地理的距離の近さ、そして言語や文化の親近性などの要因もありますが、日中双方の先人達の努力なしでは、経済交流が持続的に拡大し双方にとって利益の有るものになるとは限らないことは、歴史を読み返すことから理解されます。

私自身も「小売業」という業界を中心として日中関係を理解してきました。ドメスティックな業界でも、国境を越えて理念、価値、知識や知恵を共有する互いの努力の重要性と機密な相互交流の中でのみ相互理解が形成されるということに関する再発見は、今日の日中関係の状況においてこそ重要な作業だと思います。

Copyright © 2013, 黄りん