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『売れる仕掛けはこうしてつくる−成功企業のマーケティング』
栗木契 余田拓郎 清水信年 編 日本経済新聞社 12月発行 定価1800円(税別) 

現実味のあるケースと対話しながら、基本に立ち返ってマーケティングの問題を再考したい。このような意欲を持つビジネスマンや学生の方を対象に、本書は執筆されています。

マーケティングの難しさは、テキスト(教科書)どおりにプランを作成して実行すれば、いつもうまくいく… とは限らないことです。マーケティングの答えは一つではありません。マーケティングは常に偶有的です。マーケティングの問題は、いま自分が置かれている状況や文脈を、どのようにとらえるかによって、見え方も解決方法も異なってきます。

本書では、こうした偶有性の問題を意識して、マーケティングを「状況や文脈と一体となって機能する仕組みや仕掛け」として解き明かすことに努めました。「ケースに即してロジックを語る」というアプローチをとったのも、そのためです。

なお、一口にマーケティングといっても、問題となるテーマや、議論のフレームワークは多岐に渡ります。そこで、本書では、現代の標準的なマーケティング・テキストが扱う主要なテーマをバランスよくカバーすることに留意しながら、「ファブリーズ」「へルシア」「フィット」など14のケースを選択しました。

本書に収録したケースの作成プロジェクトは、私が経営学研究科の大学院(一般コース)で開講した授業を母体にスタートしました。当時はM1だったプロジェクト参加メンバーの多くも、今は博士後期課程の大学院生、あるいは社会人となっています。彼(女)らとの共同プロジェクトを、このようなかたちで世に問うことができたことを、とても嬉しく思っています。

目次

はじめに

第T部 これまでにない市場をつくる−マーケティング・マネジメント
     1 「いい製品」だけでは売れない−ニッチでの成功をテコに市場をこじあける(ファブリーズ)
     2 弱点を武器にする−制約条件を逆手にとって4Pを組み立てる(へルシア緑茶)
     3 原石は磨かなければ光らない−製品開発プロセスでコンセプトを鍛える(フィット)
     4 伝えるための戦略−ひとめでよさがわかる仕掛けをつくる(エア・ジョーダン)

第U部 市場づくりの後ろ盾−事業組織のマネジメント
     5 目のつけどころと決断−経営資源配分で他社に先行する(シャープ)
     6 われわれは何をする会社なのか−「事業の定義」は未来を変える(TSUTAYA)

第V部 市場との関係を強みに変える−市場の論理
     7 消費者志向とは何か−柔軟な組織が市場との対話を生む(ユニクロ)
     8 道はひとつではない−差別化で競争を回避する(オオゼキ)
     9 安くても儲かる仕組み−取引先との関係が強みをつくる(ファミコン)

第W部 絶えず変わり続ける市場への対応−市場と事業のダイナミクス
    10 自分の土俵を見失わない−競争という創造的な対話を続ける(マクドナルドvsモスバーガー)
    11 逆境のなかに可能性を見出す−再成長のマーケティング(ハイチオールC)

第X部 他の追随を許さない強みを築く−市場資源構築のマネジメント
    12 SPAの仕組みで稼ぐ−「商品の魅力」だけでは儲からない(ワールド)
    13 顧客満足で稼ぐ−あふれる笑顔も仕組みから(ノードストローム)
    14 ブランドで稼ぐ−思い出とイメージの器を生かす(タイムスリップグリコ)

エピローグ 未来は、走り続けることによって生まれる
あとがき