『自律する組織人 組織コミットメントとキャリア論からの展望』
鈴木竜太 著 生産性出版 3月発行 定価2000円(税別)
本書は、組織と個人の関係について、自律と組織へのコミットメントに焦点を当てて書かれた一般書である。自分らしく仕事をしていきたい。しかし、会社や組織がなければそもそも仕事をすることはできない。若いうちは自律・自立する力もその自信も少なく、組織に対するコミットメントもそれほど高くはない。そのため自分らしく仕事をしていくか、それとも組織のために働くのか、というジレンマはほとんど感じることはないだろう。しかし、自分なりに仕事ができるようになり、会社や仲間に対する愛着が強くなってくると、自分らしく仕事をすることと組織の制約というジレンマに知らず知らずのうちに直面することになる。本書はこのような問題に、キャリア論と組織コミットメント論に関する研究結果をベースに検討している。これまでの調査データや理論的な概念が登場し、多少読みづらい部分があるかもしれないが、組織と折り合いながら自分らしく生きることは本当にできるのかというシンプルな問いについて答えようと本書は試みている。
目次
第1章 組織と個人の関係の考え方
1. 何のために組織で働くのか
2. 自律と組織人
3. 考えなければいけない問題と考えなくてもいい問題
4. この本の構成
第2章 組織と個人の関係はどのように表現できるのか−組織にコミットする二つの側面
1. 組織コミットメントという分野
2. 仕事へのコミットメント
3. なぜ従業員のコミットメントが高くなるのか
4. 本当に日本人の組織へのコミットメントは高いのか
第3章 組織と個人の関係はキャリアの発達とともにどのように変化していくのか−キャリア発達に伴う組織コミットメントの変化
1. 組織コミットメントのJカーブ
2. キャリアの発達と組織との関係
3. キャリアの転機と組織との関係
4. キャリア論における会社との関係 −相互受容と心理的契約
5. キャリア・ミストとドリフト
第4章 会社は従業員との関係をいかに管理していくのか−組織コミットメントをマネジメントする
1. 組織側の「組織と個人の関係」の考え方
2. 日本的経営システムと組織への忠誠心
3. 補欠のコミットメント
4. コミットメントが強い組織とそうでない組織
5. 成果主義はコミットメントにどんな影響を与えるのか
6. 自律的キャリアの促進とコミットメント
第5章 これからの組織と個人
1. スキルとキャリアとコミットメント
2. 組織を背負う意識
3. 他者にコミットする組織 −タマノイ酢のケース
終章 自律する組織人
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