神戸大学MBA

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金賞 
メンバー:大島秀夫、瀧麻由美、武井宏樹、田中宏一、中道大輔、舟本恵、村上研介
(※五十音順、敬称略)
2018年1月6日(土)、神戸大学社会科学系アカデミア館504教室で行われたテーマプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。
 
Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?
 
 
大島: 8月上旬にチームを結成してからの約5か月間です。この間は週1回以上の打ち合わせ意を実施し、並行してインタビューや文献の調査を実施しました。素晴らしいメンバーとともに興味深い解を得ることができ、とても楽しかったです。
 
瀧: 全体的なスケジュールとしては8月上旬から集まりはじめて、1月上旬の発表まで丸5か月程度かかったかと思います。基本的に土曜日の授業後プラス平日一回集合、それにプラスしてインタビューが行われたので気を抜く暇なくみっちり取り組んでいました。尊敬できるメンバーと、とても面白いテーマに巡り合えたため、充実した期間でしたし、今思うとこの準備期間はあっという間だったように感じます。
 
武井: 約5ヵ月間です。準備を始めたのはテーマプロジェクト開始の1週前(7月末)からなので。
授業初日に研究チームのメンバーを決定しますが、半分ほどのチームは既に固まっていました。自チームは数週間前から飲み会などを通じて「共通の研究テーマ(自分にとっての課題)」を持つ人間を探し、意識的に集まっていたことを考えると、数ヶ月前から始まっています。開始後は、「プロジェクトに全力を尽くす」を念頭に、土曜の授業後はもちろんのこと、平日は週に1度必ず集まってミーティングを行い、さらに企業や教授へのインタビューは別日で組んでいました。ミーティング後は飲みにくり出し、集まらない日にはSNS上で意見をぶつけ合い、とにかく期間中は家族よりも濃い時間を過ごしていたと言えます。結果として発表当日には、全員が「金賞を取る自信はあるが、取れないとしても自信を持って、いい研究を行うことができた。」と言っていたことを覚えています。
 
田中: ケースプロジェクト発表会の打ち上げの席で、主だったメンバーが揃いました。ですから、チームビルディングを含めての準備期間は8月から12月までの約5ヶ月です。
テーマ選定については、中小企業の経営者や後継者が主メンバーだったので、経営現場の問題意識を共有し易く、テーマの方向性を早い段階からある程度固められたのが良かったと思っています。週末土曜日の授業後の時間とは別に、毎週1回は平日の夜に集まる機会を設け、前回からの進捗や新しい知識や理論、アイデアを話し合っていました。
 
中道: 7月末にメンバーを決めて8月一週目にはすでにミーティングを開始していました。
その際に毎週平日1回は必ず集まることを決めて、それは1月6日発表に至るまでずっと継続しました。毎週平日1回土曜1回の2回の定例ミーティングとこれとは別にインタビュー(ケース含めて計11回)、年末年始も3回集まるなどかなり密度の濃い準備期間でした。
 
舟本: 7月の最終週にチームメンバーが確定、8月2日に開催したキックオフミーティングが我々のチームにおける本プロジェクトのスタートでした。その後、毎週土曜日、授業終了後は当然、平日も週に1回は必ず集まり、夜遅くまで熱い議論を交わしました。時には、議論が白熱し、時間を忘れ、終電を逃しそうになることもありました。プロジェクト発表会は年明けの1月6日でしたが、年末年始には2日に1回のペースで集まり、最後の議論は1月5日の深夜にまで及びました。私は発表者でしたので、全員の想いと、これまでの議論の成果を、寸分たがわず審査員に正確に伝えられるよう、当日1月6日の朝まで、寝ずに発表の練習を繰り返しました。
 
村上: 7月末からメンバーに声を掛け合い、ケースプロジェクトの懇親会の日には新チームが決定しました。お盆前にチーム発足の決起集会を開き、皆の課題について話をしました。私たちは中小企業の経営者と後継者を中心にチームを編成しており、仕事上の悩みは似ていたので、比較的スムーズにテーマが決まったと思います。それから5か月間は毎週土曜日と平日1日打ち合わせをしました。そこにいくつかのインタビューが入ったので、日程的にはハードでした。打ち合わせの時間に関しては、クラスでもトップレベルだったのではないかと思います。そのため発表内容に関しては何度も何度も練り直すことが出来ました。
 
Q2. 入学から振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?
 
 
大島: 授業は極めて濃密で面白く、実際の仕事にも役立っています。授業はいい意味で理屈っぽく、理屈っぽい私の思考にフィットしていると感じます。経営は理屈だけでは回りませんが、プロジェクト研究によって実践が補完されており、よくできたカリキュラムであると感じます。
またプロジェクト研究は、クラスメイトとともに長期間にわたって考え、手を動かすことを通じて相互が提供する生のビジネス情報に触れることができるため、とても貴重な経験であると感じます。
 
瀧: どの科目も非常に面白く、とても勉強になります。特に社会人としての経験を積んで、問題意識を持って授業にのぞむことで、学問と実務の間を見つめる、自分なりの学習ができるような気がします。また、これまでのキャリアで深く関わってこなかった分野についても全体像を短期間でインプットし、知識の幅を広げられることを嬉しく思います。授業もそうですが、クラスメートとのやりとりから学ぶことも多く、とても満足しています。
 
武井: 大変ためになっています。神戸MBAを選んでよかったです。
理論だけではなく、実戦で使用できる知識や情報、経験を得られているためです。これは、自社事業全体での課題や、個人役職上の課題にぶつかり、悩み苦しんだうえで入学をしていること、そして実際に通学して、教授および仲間と顔を合わせてディスカッションをしていることが大きいと考えられます。授業で学ぶ理論そのものも重要ですが、ディスカッション中の仲間の立ち振る舞い(リーダーシップ・フォロワーシップ)やプレゼンテーションなど、全てを教材として参考にしています。
 
田中: 世界標準の知識を抑えつつ、実際の現場で起こっていることを共に考える、バランスの取れた授業構成だと思います。カリキュラムの順番も考えられていて、先に受講した科目の知識が次の講義に生きるような工夫もされていると感じました。もちろん、レポートや課題に追われっぱなしなので、オンゴーイングの時は気づきませんが。
現在、5つのコア科目が終了したところです。だんだんと力がついてきたと実感してきた矢先に授業が終わってしまうことを、少しさびしく感じています。
 
中道: 今年度からカリキュラム内容が変わり各講義のなかで実験的要素が多いことは否めませんが、その中でもケース、テーマという両プロジェクトは評判にたがわず大変充実していましたので満足しています。特に一つの課題を様々なバックグラウンドの異なるメンバーで議論を尽くして答えを出す過程は、実際の仕事では味わえない難しさと面白さがあると思います。
 
舟本: 動もすれば、「経営学という学問・研究」と「経営の現場における実践」とは乖離しているように捉えられがちです。このような中、私は、「働きながら学ぶ」ことで、「学んだ理論について常に内省し、すぐに実践することができる」という神戸大MBAのコンセプトに期待するとともに、「経営の現場で抱えている問題を持ち寄り、同じ問題に直面している人々とチームを構成、互いに知恵を出し合いながら解決策を探る。問題解決型であると同時に、相互のインターラクションを重視した教育方法である。」という、プロジェクト方式の在り方にも共感し、神戸大MBAを目指しました。
実際の神戸大MBAの授業では、正に期待通りの成果を得ることができています。日々の授業で学ぶことの中には、直ぐに実業へ反映できることも多く、この1年間で得たMBAでの学びが、日々の業務で活かされていく過程を体感できています。また、2回のプロジェクト研究においても、セブン&アイグループへの提言や、斜陽産業に所属する中小企業の持続的発展を目指す中で、(普段の業務では絶対に触れることのできないような)それぞれの産業が直面する問題・課題にリアリティをもって触れることができ、それらに正面から対峙し、それらを解決するプロセスを経ることで、結果として多角的・多面的に自らが所属する産業、あるいは自らが所属する企業を客観的に見ることができ、この意味で、間接的に私の日々の業務に活かすことができています。
 
村上: 読まなければならない課題が多く、消化不良も多いです。特に英語の文献に関しては非常に苦労しています。しかし自分の仕事上関係しない分野では新しい発見が多く、とても刺激的です。特に仲間の発言は生の情報なので、大変勉強になります。
 
Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。
 
 
大島: 課題の設定と絞り込み、先行文献調査と知識のキャッチアップ、ならびにプレゼンテーションの構築です。 我々の議論は当初から発散気味で、基本的には迷走していました。これは論点のビルド&スクラップを通じた論点の精緻化につながってはいるものの、もう少しほかの優れたやり方があったのではないかと感じています。キーコンセプトである偏愛に基づく斜め連携にたどり着いたのは12月中旬で、そこまでは毎週新しいコンセプトを作っては潰していました。しかし、冗長なものではありましたが、学びは多かったのではないかと感じます。
先行文献調査ですが、チームの中ではただ一人中小企業と関係のないキャリアを歩んでいたため、知識のキャッチアップもかねて一人で大半を行いました。毎回のチーム議論後、文献を探索し3件程度の文献を読んで理解し、エッセンスをチームに伝えるというルーチンを週2回ペースで行い、非常大変でしたが勉強になりました。文献調査リストは最終的に121件となり、知識が爆発的に増加したと感じております。しかしながら門外漢であったため、最後まで知識のギャップは存在したと感じました。
プレゼンテーションの構築ですが、個人的にはコンセプトには絶対の自信をもっており、最終発表の場でそれを正しく伝えることができれば優勝は確実であると考えていました。しかし我々のコンセプトを構成する要素は多く、これらすべての要素を破綻なく整合的に配置し、それを聴衆に伝わるプロトコルに落とし込む点が難しかったと感じました。
 
瀧: 思い出深いのがチームの議論が拡散しがちで、最後までどういった結論になるのかヒヤヒヤしたことです。(笑)私は納得できる結論が見えるとそれに固執しがちなので少し戸惑いましたが、このメンバーなのでとても楽しく議論し続けられました。大変ではありましたが、議論において拡散と収束のサイクルを繰り返したことが優勝の秘訣だったように思います。また、大変だったと同時に反省しているのが時間調整についてです。当時一歳の息子が保育園に通い始めだったので母親としても忙しい時期でした。結果、チームにも家族にも迷惑をかけることが多く心残りな部分があります。チームからも家族からもスーパーなサポートを受けることができ、優勝という結果になったこと、非常に嬉しく、感謝でいっぱいです。
 
武井: まずテーマプロジェクトそのものは一切、負担に感じませんでした。楽しかった!
発表後にロスになってしまったぐらいです。強いて挙げるなら、“通常授業や家族サービスとの両立”でしょうか。妻によく小言を言われました・・・。
自分の課題解決に直結する研究テーマかつ、いい仲間に恵まれたため、ある意味では授業よりも勉強になりました。修士論文を書くにあたっても、先行研究、インタビュー、文章化とプロセスは似ているため参考になります。
 
田中: 発表の途中経過を先生方にお伺いしたのですが、その度に指摘(ダメ出し)を頂戴し、期日に間に合うだろうかと焦りました。得た学びや知識を全て盛り込もうとした結果、焦点がぼやけてしまうことが原因でした。辛い作業でしたが、本当に言いたいこと、伝えたいこと以外は全部捨てる、取捨選択する決断が大変だったと思います。その結果、我々が本当に解決したい現場の悩みとその研究結果を、リアリティをもって伝えられたと感じています。
メンバーとのMTGでは、毎回新しい知識や学びがあり、それだけでとても楽しかったです。苦楽を共にしたメンバーの嬉しそうな笑顔を見て、優勝して良かったと心から思いました。
 
中道: 仮説に基づきインタビューをした結果の結論を出してはつぶし、また違う仮説を立てては違う結論を出してはつぶすという作業の繰り返しが一番大変でした。しかしこの数がどのチームよりも多く、またそれを誰一人厭うことなく積極的に繰り返すことができたのが勝因だと思います。準備最終日に発表内容が固まったときに、結果がどうであれ、プロジェクトを通じて高い満足感と大いなる学びを全員が共有できたことが優勝という結果よりもうれしかったことです。
 
舟本: まず、「時間との戦い」が非常に大変でした。限られた時間(約5か月間)の中で、斜陽産業に所属する中小企業が抱える問題点・課題の本質を見出し、それらに正面から対峙し、決して飛躍した論理や概念的な打ち手で逃げることなく、実現可能性・持続可能性を兼ね備えた具体的な提言を行う必要がありました。また、これらのことに加え、当然、経営的な改善策として有意であり、これまで誰も提言したことがない施策であり、かつ、水平展開が可能なものであることも求められました。正に「生みの苦しみ」を味わいました。このため、毎回の議論においては、ダイナミックな議論の拡散(ブレインストーミングを起こす)をしっかりと行いながらも、実現可能性の確認として、「『では、明日から取り掛かりなさい。』と言われたら、直ぐに実行できるのか、具体的には誰が、いつ、何を、どのようにやるのか。」と、常に具体的な5W1Hを追求し続ける必要がありました。
次に、発表者として、20分で83枚のパワーポイント資料を、正確に、丁寧に、相手が理解できるように発表する点も非常に大変でした。当日の朝まで練習を繰り返しましたが、練習において20分以内に収まることはありませんでした。本番では、他のチームの熱気と、審査員の教授陣の前で、私自身に良い緊張感が生まれ、初めて時間内に収めることができ、ホッとしました。
 優勝の感想として、実はチームメンバーとは、毎回の議論を通じ、日々の経営・実業に活かすことができる要素をいくつも見出すことができていたので、途中段階で「日々の経営に活かすことができる新しい気付きを得られた。」「早速実践している。」「本来のプロジェクト研究の目的は果たせた。」「賞が取れなくても悔いはない。」という境地まで達していました。実業に活かすことができるノウハウを習得できたことに加え、金賞まで取ることができて、非常にうれしく思っています。
 
村上: 企業インタビューは新しい発見が多くとても楽しかったのですが、インタビューするたびに研究関心が変わっていき、何のための研究かがぶれてしまいました。プロジェクトありきの課題設定だったので、動機が薄かったのかもしれません。新しい発見があると皆で盛り上がるのですが、翌週にはその結論に対して「なぜそうなったのか?」と疑問がわいてきました。最終的には締め切りがあるので、その時までの研究を、聞く人がわかりやすいようにまとめましたが、まだまだこの先が知りたいというのが本音です。優勝したことはうれしかったですが、このメンバーでの活動が終わると思うと寂しい気持ちの方が強かったです。平野先生からの講評でもいただきましたが、チームワークは最高だったと思います。
 
Q4. 今後の抱負をお聞かせ下さい。
 
 
大島: まずは当面の目標として、修士論文を書き上げることを目標として頑張りたいと考えています。修士論文も土地勘がない分野で書くことになり、また膨大なインプットが必要と思われますが、テーマプロジェクトを通じて身に着けたインプットの方法を通じて取り組んでいきたいと思います。
その後はMBAの学びをキャリアに生かして行きたいと考えています。MBAの学びを通じて私のキャリア志向は先鋭化され、何がやりたいかがわかりました。その道に向けて邁進したいと考えています。
 
瀧: しっかり、MBA生活をやり遂げ今後のキャリアに活かしていきたいと思います。また、同期とのご縁は今後も大切にしていきたいのと、家族には何かしら恩返しができればと思います。
 
武井: まずは残りの在学期間中、もう一度「自社および自らの課題」に真摯に向き合い、全力で修士論文に挑むこと。そしてその経験を活かし、学びを継続して自社および業界、さらには日本の中小企業を少しでも盛り上げられるよう努めます。神戸MBAの名に恥じぬよう、精進していきます。
 
田中: 2つのプロジェクトや授業で学んだことを生かし、これから修士論文作成に取り組みます。先の2つのプロジェクトと異なり、自分ひとりでテーマに向き合うプロジェクトです。困難な作業となりますが、神戸MBAの学びの集大成として、なんとかやり遂げたいと思います。卒業の暁には、修士の名に恥じないよう、自社や所属する業界を通じて社会に貢献する所存です。
 
中道: 今回は中小企業の持続的発展というまさに経営者としての自分の悩みをテーマに設定しました。この一連のプロジェクトを通じて得た学びは発表内容以上に深いものがありました。今後さらに修士論文にてこのテーマを深掘りすることで更なる学びを積み重ね、自社を10年20年と続き「なくてはならない企業」としていく糧にしていきたいと思います。
 
舟本: いよいよ修士論文が佳境を迎えます。修士論文でも、上記してきた考え方のもと、自らが所属する産業、あるいは自らが所属する企業の問題・課題の解決に向け、実践的な提言が行えるよう、精進して参りたいと思います。
 
村上: このテーマプロジェクトでは多くのことを学びました。まずは課題の設定です。これを間違えると全てがうまくいきません。それから馴れ合いではないが信頼関係に基づくチームワークの重要性です。健全なコンフリクトを恐れず、しっかりと議論できたことが多くの発見につながりました。また煮詰まった状況でも誰かがユーモアを発し、楽しく取り組めたことで長くモチベーションを保てました。そして研究に対する謙虚な姿勢も学べました。中間発表時点では評価が悪く、自分たちの足りなかった点について消化しきれないこともありましたが、何度か先生方にアドバイスをいただく中で、次第に修正していくことが出来ました。これらの学びを次の修士論文、そして卒業した後の自分の仕事に活かしていきたいと思います。
 

優勝チームの皆様、ご協力ありがとうございました。そして、おめでとうございました!