2013年度ケースプロジェクト発表会 | |
2013年8月3日(土)
今年度は、化粧品業界にスポットライトを当てて、あれほど強かったナショナルブランド(資生堂やカネボウ)が衰退の道を歩み始めた理由を問うことにしました。題してリ・フラグメンテーションの研究です。フラグメンテーションとは群雄割拠の状態になることを言います。逆に寡占化が進行することは、ディ・フラグメンテーションとマイケル・ポーターは呼びました。 そのポーター先生のフレームワークを借用するなら、このテーマには5つのアプローチがあると言えそうです。12チームが選んだケースを割り振りながら整理すると、
今回は、川上アプローチを採ったチームは、自分たちが何に賭けたことになったのかを明確に意識していました。ゆえに論旨は鋭く、審査員の支持が集まったのもわかります。各チームが相乗効果を発揮し、結果的に川上アプローチの有効性を印象づけた点も指摘しておくべきかもしれません。ただ、サティス製薬は他に興味をそそる側面があり、そちらにチームが流されてしまい、選に漏れてしまいました。 この先は不足を浮き彫りにしてみることにします。これも教育と受け止めていただければ幸いです。
参入アプローチを採ったチームの敗因は明らかです。ここは事前に予想されたとおり、競合が多く、激戦区となりました。他のアプローチと戦う前に、同じアプローチを採った類似ケースとの差異化が不可欠であったはずなのに、そこに充分に意を用いた形跡が見られなかった以上、ここからメダルチームが出なかったのは仕方ありません。負の相乗効果が働いて、アプローチそのものの正当性を殺いでしまったと言い換えてもよいでしょう。 最後に全体を見渡すと、川下アプローチに空白が目立ちます。アイスタイルは特殊な事例で、販売チャネルの側に優良ケースがあったはずです。そこに一つもケースが出なかったところが、出題者としては最も失望した点でした。 日本人は微に入り細に入りという手口を得意とする反面、戦場や戦況をざくっと見渡す手口を苦手とすると言われます。今回のケースプロジェクトの結果は、そのとおりと言っても過言ではないでしょう。個々のケースの中身に入る前に、全体を見渡す発想がないと戦略性は醸し出されません。そこを教訓として、次に進んでほしいと願う次第です。 なお、リ・フラグメンテーションの解題は敢えて控えることにします。このテーマについては、いつか土俵を変えて再戦に持ち込むので、この コーナーの来年度以降分に注目していてください。 (文責:三品和広) |
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◆金賞チーム |
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※金賞チームのインタビューは こちらからご覧下さい。 |
◇銀賞チーム | |
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◇銅賞チーム | |
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